
「株式会社と合同会社って何が違うの?」
「会社設立後に後悔しないためにもメリット・デメリットを知りたい」と悩んでいませんか?
✅副業を始めて、本業より収入が多くなり会社を設立しようか迷っている方。
✅個人事業主から会社設立を考えているけど「株式」か「合同」で悩んでいる方。
このような方におすすめの記事です。
本記事で詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
株式会社と合同会社の違いとは?
会社を設立しようと考えたとき、「株式会社」と「合同会社」という2つの選択肢をよく耳にすると思います。
どちらも法人として事業を行うための会社形態ですが、仕組みや特徴には大きな違いがあるのを知っていますか。
それぞれの基本的な特徴と違いを解説するので、参考にしてください。
株式会社とは?
株式会社とは、「株式」を発行して資金を集め、その資金をもとに事業を行う会社です。
大企業のほとんどが株式会社であり、上場している企業もすべて株式会社にあたります。
株式を買った人(株主)は会社の所有者になりますが、実際の経営は「取締役」などの役員が行います。

以前は資本金1,000万円以上が必要でしたが、現在は1円から設立できます。
合同会社とは?
合同会社(ごうどうがいしゃ)は、2006年の会社法改正で新しく作られた会社形態です。

合同会社の特徴は、「出資者=経営者」であること。
出資した人がそのまま経営にも参加するという仕組みです。
そのため、意思決定が早く、自由度の高い経営ができます。


株式会社と合同会社の違い|表比較
以下の表に、株式会社と合同会社の主な違いを表でまとめました。
比較項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
設立費用 | 約20万円~(定款認証あり) | 約6万円~(定款認証なし) |
出資と経営 | 分離(株主と役員が別) | 一体(出資者=経営者) |
意思決定 | 株主総会・取締役会が必要 | 出資者の合意で決定可能 |
社会的信用度 | 高い(知名度がある) | やや低い(一般にはなじみが薄い) |
利益の配分 | 出資比率に応じて分配 | 定款で自由に設定可能 |
上場 | 可能(条件を満たせば) | 不可 |
株式の発行 | できる | できない |
役員の任期 | 原則2年または10年以内 | 任期なし |
決算公告義務 | あり | なし |
表からわかる違いは、以下のとおり。
経営スタイルは「自由度」か「信頼性」か
株式会社では、出資をした人(株主)と実際に会社を動かす人(役員)が別の存在として管理されます。
経営に対して外部の視点が入るため、組織的で安定した運営がしやすい反面、意思決定には時間がかかる傾向があります。


一方で、合同会社は出資者=経営者という構造が基本です。意思決定が早く、ルールも柔軟に決めることができます。
会社の方向性を素早く変えられるため、小規模事業やスタートアップなど、スピード感を重視する経営に向いています。
また、合同会社では役員に任期がなく、形式的な変更手続きもほとんど必要ないため、日々の運営コストや管理の負担が軽いのも大きなメリットです。
信用力を重視するなら株式会社、自己完結なら合同会社
株式会社は、「株式会社」という名前の知名度の高さから、銀行・取引先・投資家など外部からの信用を得やすいのが特徴です。
また、株式を発行して資金を集めることができるため、会社を大きく成長させたい場合にもおすすめ。


一方で合同会社は、株式を発行する制度がないため、外部の投資家から資金を集めることは難しいという点があります。
ただし、少人数で始めるビジネスや、自分たちだけで資金を出し合う形であれば、外部に干渉されずに自由に経営できるというメリットもあります。
また、近年ではAmazon JapanやApple Japanなど、大企業でも合同会社の形態をとっている例もあり、「合同会社=信用が低い」とは一概に言えない時代になっています。
ただし、知名度や対外的な印象という面では、まだ株式会社の方が有利であると言えるでしょう。
株式会社のメリット・デメリット
株式会社のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
株式会社のメリット | 株式会社のデメリット |
---|---|
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株式会社は、社会的な信用の高さと資金調達力の強さが最大の魅力です。
ただし、設立費用や日常の手続きには時間とコストがかかります。
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将来的に上場を目指す人
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企業イメージや信用を重視する人
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投資家や株主を集めたい人
上記のような考えを持っている方は、株式会社が向いているといえるでしょう。
合同会社のメリット・デメリット
合同会社のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
合同会社のメリット | 合同会社のデメリット |
---|---|
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合同会社は、低コストでスピーディーに会社を設立できるのが大きな魅力です。
ただし、信用力や資金調達の面では株式会社に劣る部分があるため、事業の将来像を見据えて選ぶことが大切です。
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小規模で始めたい個人事業主
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コストをおさえて自由に経営したい人
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パートナーと対等に事業をしたい人
上記のような考えを持っている人は、合同会社が向いているといえるでしょう。
設立費用と手続きの違い
株式会社と合同会社では、費用面も準備の流れも大きく違います。


どちらが「どのくらいお金がかかるのか、どんな手続きが必要なのか」をわかりやすく以下の表にまとめました。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
定款収入印紙代 | 4万円(※電子定款なら不要) | 4万円(※電子定款なら不要) |
定款の認証手数料 | 約5万円 | 不要 |
登録免許税 | 15万円または資本金×0.7%(高い方) | 6万円または資本金×0.7%(高い方) |
合計費用の目安 | 約20万円〜 | 約6万円〜 |
※電子定款にすれば印紙代4万円は不要になります。
株式会社は、設立にかかる費用がやや高めです。大きな理由は「定款認証」という手続きが必要だからです。
これは会社の基本ルールを記した書類(定款)を、公証役場で確認・認証してもらうものです。


また、登記の際にかかる登録免許税も最低15万円と定められており、結果として合計費用は20万円以上になるのが一般的です。
一方、合同会社では定款認証が不要なので、公証役場に行く必要がありません。
この時点で約5万円分のコストがカットでき、全体としての設立費用も6万円前後に抑えられます。
登録免許税も株式会社より安く設定されており、資本金が少ない場合には「資本金の0.7%」でもっと安くなるケースも。



設立手続きの基本的な流れ
株式会社も合同会社も、設立までの流れはほぼ共通しています。
まずは、株式会社の手続きの流れは以下のとおりです。
ステップ | 手続き内容 | 所要期間の目安 | 補足内容 |
---|---|---|---|
① | 法人の基本情報の決定 | 約1週間 | 会社名・所在地・事業目的・役員構成・資本金額などを決定 |
② | 会社実印の作成 | 数日〜約1週間 | 実印・銀行印・角印などを準備 |
③ | 定款の作成と公証役場での認証 | 約1週間 | 電子定款の場合は印紙代(4万円)が不要 |
④ | 出資金の払い込み | 約1週間 | 発起人名義の口座に資本金を入金し、払込証明書を作成 |
⑤ | 設立の登記申請 | 約1〜2週間 | 登記完了まで通常1週間前後(法務局の混雑により変動) |
― | 合計期間の目安 | 約4〜5週間 | 準備状況や専門家依頼の有無により前後する可能性あり |
合同会社の手続きの流れは以下のとおりです。
ステップ | 手続き内容 | 所要期間の目安 | 補足内容 |
---|---|---|---|
① | 法人の基本情報の決定 | 約1週間 | 会社名・所在地・事業目的・代表社員などの基本事項を決定 |
② | 会社実印の作成 | 数日〜約1週間 | 実印・銀行印・角印などを準備 |
③ | 定款の作成(認証は不要) | 数日 | 公証役場での認証は不要なのでスムーズに進行 |
④ | 出資金の払い込み | 数日 | 出資金を入金し、払込証明書や領収書を作成 |
⑤ | 設立の登記申請 | 約1週間 | 登記完了までは通常1週間弱(法務局の処理状況により前後) |
― | 合計期間の目安 | 約2〜3週間 | スムーズに進めば2週間程度で設立も可能 |
手続きの手間が少ない合同会社でも、2~3週間の期間がかかります。





会社設立後に必要な手続き
会社を設立したあとは、すぐにビジネスを始められるわけではありません。
税務署や年金事務所などに必要な書類を届け出る義務があります。
詳しく解説するので、参考にしてください。
税務署への届出
法人を設立した場合は、以下の届出書類を税務署へ提出しなければなりません。
期限を過ぎると控除などの優遇が受けられなくなる場合もあるため、注意しましょう。
書類名 | 提出が必要なケース | 提出期限 |
---|---|---|
法人設立届出書 | 本店を国内に置く法人や協同組合などを設立した場合 | 設立登記日から2ヶ月以内 |
給与支払事務所等の開設届出書 | 給与を支払い、源泉徴収義務者となる場合 | 給与支払い開始から1ヶ月以内 |
上記のほか、青色申告承認申請書、消費税課税事業者選択届出書なども必要に応じて提出しましょう。
また、「法人設立届出書」は税務署だけでなく、都道府県税事務所や市区町村役場にも提出が必要です。
これを忘れる方も多いため、あらかじめチェックリストを作っておくのがおすすめです。
社会保険・労働保険の手続き
法人を設立すると、たとえ従業員がいない一人会社でも、社会保険の加入が義務になります。
また、従業員を1人でも雇う場合は、労働保険(雇用保険・労災保険)への加入も必要です。


-
常時従業員(事業主含む)を使用する法人の事務所
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常時5人以上の従業員がいる個人事業所(ただし一部の業種は除く)
※クリーニング業、飲食業、農業、漁業など一部業種は例外あり
つまり、個人で会社を立ち上げた場合でも、原則として年金事務所に届出を出し、健康保険・厚生年金への加入手続きを行う必要があります。
引用:日本年金機構「新規適用の手続き」
法人口座の開設手続き
会社設立後は、事業用の銀行口座を開設するのが一般的です。
法律で必須ではありませんが、個人口座と会社資金を明確に分けられるため、経理や信頼性の面で非常に重要です。


-
社会的な信用度が上がる
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会社のお金と個人のお金を分けて管理できる
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銀行との取引や融資にもスムーズに対応できる
-
会計処理や確定申告がしやすくなる
特に信用力を意識するなら、法人口座の開設は早めに行っておきましょう。
開設には「登記簿謄本」や「印鑑証明書」などが必要になるため、事前に必要書類を調べておくのがおすすめ。
不安なら「オンライン設立」や「税理士」を検討する
会社設立は自分でもできますが、慣れていないと時間がかかりがちです。
書類に不備があったり、手続きの順番を間違えたりすると、再提出になることも。
そのため、「初めての設立で不安」「本業に集中したい」という方は、オンラインで会社設立を行ったり税理士に依頼したりするのもおすすめです。
最近では、設立費用込みでサポートしてくれる税理士事務所も多く、設立から税務管理まで丸ごとお任せできます。


実際の企業はどう選んでいる?有名企業の事例
会社形態の選び方には「正解」があるわけではありません。
実際の企業も、自社の目的や戦略に応じて株式会社・合同会社のどちらかを選んでいます。


株式会社として有名な企業は、以下のとおりです。
企業名 | 特徴 |
---|---|
トヨタ自動車株式会社 | 世界的な製造業大手。上場企業で、多くの株主が存在。 |
株式会社ソニーグループ | 株式公開を通じてグローバルな資金調達を実現している。 |
株式会社リクルート | 社員数・事業規模が大きく、信用力を重視した会社構造。 |
株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ) | 海外展開を含む大規模な企業。グループ内にも複数の株式会社を保有。 |
大手企業や上場企業のほとんどは株式会社です。
株式を発行して資金調達を行い、株主との関係を重視した運営が求められるためです。
特に信頼性や透明性が重視される業界では、株式会社が選ばれる傾向にあります。
次に、合同会社として成功している企業は以下のとおり。
企業名 | 特徴 |
---|---|
アマゾンジャパン合同会社 | 米Amazonの日本法人。 |
アップルジャパン合同会社 | Appleの日本法人。 ※グローバル企業の日本支社に多い形態。 |
グーグル合同会社 | Googleの日本法人。 ※コストや組織管理の効率性を重視。 |
ユニリーバ・ジャパン合同会社 | 海外本社をもつ消費財メーカーの日本法人。 |
「合同会社=小規模企業」というイメージを持たれる場合もありますが、実際には世界的な大企業の日本法人にも選ばれています。これは、合同会社の方が経営上の柔軟性が高く、意思決定が速くなるためです。



上場を目指す日本国内企業は株式会社を選びやすく、外資系企業の日本支社は合同会社を選ぶ傾向があります。
また、中小企業でも「自由に動きたい」「手続きにかかる負担を減らしたい」という理由から、合同会社を選ぶケースも増えています。
大切なのは、自分の事業の目的や運営スタイルに合った形を選ぶこと。
有名企業の事例を参考にしつつ、あなたにとって最適な会社形態を検討しましょう。
有限会社ってもう作れないの?
かつて「有限会社」という会社形態があったのをご存じですか。
有限会社は設立できるのかなど詳しく解説します。
有限会社は2006年に廃止された
有限会社は、資本金300万円以上で設立できた小規模企業向けの法人形態でした。
しかし2006年の会社法改正により、新規設立は廃止され、新しく有限会社を作ることはできなくなりました。
現在、昔から存在している有限会社は「特例有限会社」として、そのまま存続が認められています。
ただし、新規に設立したい場合は、「株式会社」または「合同会社」から選ぶことになります。



特例有限会社の特徴と、株式会社との違いは以下のとおりです。
比較項目 | 特例有限会社(現在の有限会社) | 株式会社(一般) |
---|---|---|
設立の可否 | 新規設立不可(2006年以降) | 可能 |
社名の表記 | 「有限会社〇〇」 | 「株式会社〇〇」 |
法的扱い | 会社法上は「株式会社」として扱われる | 一般的な株式会社 |
役員の任期 | 任期なし | 最長10年で再任が必要 |
決算公告義務 | なし | あり |
株式の発行 | 可能(制度的には株式会社と同じ) | 可能 |





合同会社と有限会社は似ている?
実は、「合同会社」は有限会社の代わりとして導入された形態でもあります。
特に以下のような点で共通点が多いです。
-
設立費用が安く、手続きが簡単
-
役員の任期がなく、更新の必要がない
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決算公告の義務がない
-
小規模な事業におすすめ
ただし、合同会社は定款の自由度がさらに高く、出資と経営を一体化できるなど、より柔軟な経営が可能です。
迷ったら合同会社から始めてもOK
会社の形態に迷ったとき、「まずは合同会社でスタートする」という選択も、おすすめです。
合同会社は、設立費用が安く運営もシンプルなため、初心者でも始めやすい方法です。
実際に、法人化を考える個人事業主やフリーランスの方の多くが、まずは合同会社で設立し、事業が成長してから株式会社へ変更しています。
合同会社から株式会社に変更する「組織変更」という手続きは、一定の条件を満たせば可能です。
最初から無理に株式会社を選ばなくても、事業が軌道に乗ってからでも遅くはありません。
まとめ|自分に合った会社形態を選ぼう
株式会社と合同会社は、どちらも法人としてしっかりと事業を行える会社形態です。
ただし、それぞれの特徴や運営スタイル・費用面・信用力などには大きな違いがあります。
「どちらを選べばいいの?」と迷うときは、以下の基準を参考にしてください。
✅合同会社が向いている人
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まずは低コストで会社を始めたい人
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少人数で自由に経営したい人
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株主や外部の介入なしで意思決定したい人
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法人化したい個人事業主やフリーランスの人
合同会社は、設立費用が安く、運営もシンプルで自由度が高いのが魅力です。小規模なビジネスやスピード感のある経営をしたい方にぴったりでしたね。
✅株式会社が向いている人
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信用力を重視する取引先が多い人
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将来的に上場や増資を考えている人
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投資家からの出資を受けたい人
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形式やガバナンスを大切にしたい人
株式会社は、社会的な信用の高さや資金調達力に優れています。
大きなビジネス展開や対外的な信頼性が必要な場合には、株式会社がおすすめです。
本記事内で、手続きの流れなど詳しく解説しているので参考にしてください。