2026年11月1日から、EU向けに発送する荷物のルールがまた変わります。
7月に始まった「3ユーロ関税」に続き、今回は製品識別コード(PID)の申告が必須になり、さらに「EU取扱手数料(UHF)」という新しい手数料もかかるようになります。
eBayでヨーロッパのバイヤーに販売しているセラーは、どの配送方法を使っていても対応が必要です。
ただし、PIDの入力方法や手数料の払い方は、SpeedPAK・日本郵便・ヤマト運輸・FedEx・DHL・UPSなど、配送方法ごとに少しずつ違います。
本記事では、11月からの変更点・PIDの中身について・SpeedPAKでの手数料の計算例・配送方法別の入力方法・11月までにやっておくことを1本にまとめました。
2026年11月からeBayのEU向け発送で変わること
今回の変更は、EUが進めている関税制度改革(EU Customs Reform)の一部です。
eBayセラーに関係するのは、大きく分けて「PIDの申告義務化」と「EU取扱手数料の導入」の2つあります。
製品識別コード(PID)の申告が必須になる
2026年11月1日(欧州時間)から、EU27か国の個人宛てに送る申告価格150ユーロ以下の荷物では、商品ごとに製品識別コード(PID)を申告する必要があります。
PIDは7月1日から任意で申告できるようになっていましたが、11月からは義務に変わります。
これまでの通関申告は荷物単位の情報が中心でしたが、今回からは商品1点ずつの情報が必要です。
EU取扱手数料(UHF)が新しくかかります
同じく11月1日から、EUに輸入される個人宛ての荷物に「EU取扱手数料(Union Handling Fee/UHF)」がかかるようになります。
これはEU税関が課す手数料で、配送会社の手数料ではありません。
ちなみに関税を払うのは、DDPならセラー、DDUならバイヤーです。
7月から始まった3ユーロ関税との関係
2026年7月1日から、EUは150ユーロ以下の荷物の関税免除(デミニミス)を撤廃し、HSコードごとに3ユーロの定額関税をかけています。
つまり11月以降、150ユーロ以下の荷物には「3ユーロの関税+2ユーロの取扱手数料」が基本的にかかるようになります。
3ユーロ関税については、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

PIDが必要な荷物・必要ない荷物
PIDが必須になるのは、すべての荷物ではありません。
対象は「EU27か国宛て」「個人宛て(BtoC)」「申告価格150ユーロ以下」の3つの条件がそろった荷物です。
受取人がVAT登録をしている事業者の場合(BtoB)は対象外で、通常の関税率が適用されます。
なお、ヤマト運輸の案内には150ユーロという金額の条件が書かれていません。
ヤマトで送る場合は、金額にかかわらずPIDを記載しておきましょう。
| 荷物の条件 | PIDの申告 | 補足 |
|---|---|---|
| EU27か国の個人宛て・150ユーロ以下 | 必須 | eBayの販売の多くがここに当てはまります |
| EU27か国の個人宛て・150ユーロ超 | 原則不要 | UHFは通常の関税に上乗せされます |
| EU27か国のVAT登録事業者宛て(BtoB) | 不要 | 通常の関税率が適用されます |
| 英国・スイス・ノルウェー宛て | 対象外 | EU加盟国ではないためです |
PID必須化とEU取扱手数料のスケジュール
制度の開始は11月1日ですが、配送会社ごとの対応はそれより前から始まります。
特にFedExやUPSでは、10月下旬からPIDがないと出荷手続きが進まなくなる場合があります。
| 日付(2026年) | 内容 | 関係する配送方法 |
|---|---|---|
| 7月1日 | 150ユーロ以下の関税免除が終了し、3ユーロ関税が開始。 | – |
| PIDの任意申告もスタート | EU向け全般 | – |
| 10月21日 | 国際宅急便のインボイス記載ルールを変更 | ヤマト運輸 |
| 10月23日 0:00(日本時間) | CPaSSで作成した注文からUHFの預かりを開始 | SpeedPAK Economy |
| 10月25日 | PIDがないと出荷の検証に通らない可能性 | UPS |
| 10月26日 | FedEx Ship ManagerとAPIでPIDが必須項目に | FedEx |
| 10月27日 0:00(日本時間) | CPaSSで作成した注文からUHFの預かりを開始 | SpeedPAK DHL・FedEx |
| 10月下旬(予定) | CPaSSにPIDの手動入力機能を追加 | SpeedPAK |
| 10月30日 | UGX(通常)の欧州宛て引受を停止 | 日本郵便 |
| 11月1日(欧州時間) | PIDの申告義務化・EU取扱手数料の導入 | EU向け全般 |
| 2027年1〜3月 | PIDの柔軟運用(移行措置)を見直す予定 | EU向け全般 |
| 2028年7月 | 3ユーロ関税の暫定措置が終了予定 | EU向け全般 |
DHLによると、EU委員会は導入初期のPIDについては柔軟に運用すると示しており、PIDが不足していてもすぐに通関が止まらない可能性があります。
ただし、これはずっと続くものではなく2027年第1四半期に見直される予定です。
また、上の表のとおり配送会社のシステム側では10月下旬から入力が必須になるものもあります。
「最初のうちは大丈夫」と油断せず、11月までに準備を済ませておきましょう。
PID(製品識別コード)とは?
PIDは、商品を1点ずつ見分けるためのコードです。
聞きなれない言葉ですが、中身はSKUや型番・JANコードなど、物販をしている方なら一度は聞いたこのあるワードばかりなので安心してくださいね。
PIDは3種類あります
PIDには「販売者が付けるコード」「メーカーが付けるコード」「国際規格のバーコード番号」の3種類があります。
FedEx・UPS・ヤマト運輸の案内では、販売者のコード(M-PID)とメーカーのコード(NS-PID)は常に必須。
国際規格のコード(S-PID)は商品に存在する場合のみ必須とされています。
| 種類 | 正式名称 | 中身の例 | 必須かどうか |
|---|---|---|---|
| M-PID | Merchant Product Identifier | eBayの商品番号(Item ID)、SKU | 必須 |
| NS-PID | Non-Standardised Manufacturer Product Identifier | メーカー型番(MPN)、モデル番号、品番 | 必須 |
| S-PID | Standardised Manufacturer Product Identifier | JAN、EAN、UPC、GTIN、ISBN | ある場合のみ必須 |
eBayセラーは何をPIDにすればいい?
eBayで販売している場合、M-PIDにはeBayの商品番号(Item ID)を使うのが基本です。
Orange Connexは未入力のときにItem IDを優先して使い、Ship&coもeBay連携ではItem IDをM-PIDとして送ります。
NS-PIDには、メーカーが付けた型番を入れます。
たとえばカメラなら本体の型番、腕時計ならリファレンス番号のように、商品そのものを特定できるコードです。
S-PIDは、箱やタグにJANコードなどのバーコード番号があれば入れます。
※以下はPIDの考え方を説明するための例です。
| 商品の例 | M-PID | NS-PID | S-PID |
|---|---|---|---|
| 新品のゲームソフト | eBayのItem ID | メーカーの品番 | JANコード(EAN) |
| 中古のフィルムカメラ(箱なし) | eBayのItem ID | 本体の型番 | なし |
| 中古の腕時計 | eBayのItem ID | リファレンス番号 | なし |
| 新品のキャラクターグッズ | eBayのItem IDまたはSKU | メーカーの品番 | JANコード(EAN) |
中古品やノーブランド品もPIDが必要
「中古品だからPIDはいらない」と思うかもしれませんが、FedExとUPSは、中古品や再生品も対象で、元の商品のPIDを出すよう案内しています。
たとえば中古カメラなら、発売時の型番がそのままNS-PIDになります。
カスタム品や受注生産品は、ベースになった商品のPIDです。
ノーブランド品や汎用品も例外ではなく、販売者がM-PIDを付け、製造元のコードをNS-PIDとして出す必要があります。
型番がわからない商品は申告が難しくなるため、仕入れの段階でメーカー名と型番を控えておきましょう。
PIDが免除される商品もある
一部の商品カテゴリーは、PIDの要件が緩和されます。
これらはもともとメーカーのコードがないことが多いため、PIDの代わりに「免除フラグ」を付けて申告します。
ヤマト運輸のワールドポータルにも、CCEIというY/Nで答える免除フラグの入力欄があります。
ただし、免除に当たるかどうかを判断するのはセラーです。
アンティークやコインを扱っている方は、HSコードの分類が正しいかを確かめたうえで、利用する配送会社に扱いを確認しておきましょう。
PIDを入力するときの注意点
PIDの入力ミスは、通関の遅れにつながります。
- S-PIDがない商品に、独自のコードを作って入力しない
- 余計なスペースが入ると、PIDとして読み取れない場合がある
- 文字数の上限がある。Ship&co経由ではFedExが70文字、DHL Expressが35文字で、超えた分は切り捨てられます。
- SKUはサイズや色などのバリエーションごとに別の値にする
- M-PIDとNS-PIDが同じ値にならないよう、SKUとメーカー型番は分けて管理しておく
PIDを自分で入力した場合も、配送会社が補完した場合も、申告内容の責任はセラーにあります。
SpeedPAKのEU取扱手数料と関税はいくら?
eBay SpeedPAKを使っている場合、11月からのUHFは、関税と一緒にセラーが事前に支払う形になります。
Orange Connexの案内をもとに、変更点と金額の目安を紹介するので参考にしてください。
SpeedPAK DHL・FedExとEconomyの違い
SpeedPAKのEU27か国宛てでは、DHL・FedExとEconomyで条件が分かれます。
- DHL・FedExは、申告価格150ユーロ以下ならDDPのみ
- 150ユーロを超える場合はDDPとDDUのどちらかを選べます
- 一方Economyは、150ユーロ以下の荷物しか送れず、取引条件もDDPのみ
新しい料金の適用はCPaSSで注文を作成した日時が基準で、Economyが10月23日、DHL・FedExが10月27日(いずれも日本時間0:00)からです。
| 項目 | SpeedPAK DHL・FedEx | SpeedPAK Economy |
|---|---|---|
| 適用開始(CPaSSでの注文作成日時) | 10月27日 0:00(日本時間)以降 | 10月23日 0:00(日本時間)以降 |
| 150ユーロ以下 | DDPのみ | DDPのみ |
| 150ユーロ超 | DDP・DDUを選べる | 発送できない |
| 定額関税 | HSコード1件につき3ユーロ | HSコード1件につき3ユーロ |
| EU取扱手数料(UHF) | HSコード1件につき2ユーロ | HSコード1件につき2ユーロ |
| その他関連料金 | DHL・FedExの通関関連料金 | 案内に記載なし |
| 関税処理手数料 | 関税・UHF・その他関連料金の合計の2.1% | 関税・UHFの合計の2.1% |
HSコードの数で変わる負担額の計算例
DDPの場合、セラーが負担するのは「定額関税3ユーロ(555円)」「UHF 2ユーロ(370円)」「関税処理手数料」の3つです。
関税処理手数料は、関税とUHF(DHL・FedExの場合はその他関連料金も含む)の合計の2.1%です。
どれもHSコードの数に応じて増えるため、1つの荷物に種類の違う商品をまとめるほど負担が大きくなります。
※以下は説明するための計算例です。実際の金額は為替や請求明細によって変わります。
| HSコードの数 | 関税 | UHF | 関税処理手数料(2.1%) | 合計の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1件 | 555円 | 370円 | 約19円 | 約944円 |
| 2件 | 1,110円 | 740円 | 約39円 | 約1,889円 |
| 3件 | 1,665円 | 1,110円 | 約58円 | 約2,833円 |
支払い・請求のタイミング
支払いのタイミングは、都度払いかまとめ払いかによって変わります。
都度払いの場合は、DHL・FedExもEconomyも配送ラベルの発行時に支払います。
まとめ払いの場合は、DHL・FedExは受入スキャンの完了時、Economyは日本のOC倉庫から荷物が出荷された時点で請求されるので覚えておきましょう。
DHL・FedExでDDU(150ユーロ超)を選んだ場合は、これらの費用はかからず、関税とUHFはバイヤーの負担になります。
なお、預かる金額はあくまで見込み額で、EU税関が実際に課した金額との差は、後日返金または追加請求される可能性があります。
| 支払い方法 | SpeedPAK DHL・FedEx | SpeedPAK Economy |
|---|---|---|
| 都度払い | DDP:配送ラベル発行時 DDU:セラーの関税負担なし |
配送ラベル発行時 ※EconomyはDDUを選べない |
| まとめ払い | DDP:受入スキャン完了時 DDU:セラーの関税負担なし |
日本のOC倉庫から出荷された時点 ※EconomyはDDUを選べない |
UHFは発送後は返金されない
UHFの返金ルールに注意しましょう。
Orange Connexは、発送後に徴収したUHFは理由を問わず返金しないとしています。
商品説明や状態の記載を細かく書いて、返品そのものを減らす工夫がこれまで以上に大切になります。
配送方法別のPIDの入力方法
PIDの入力方法は、配送方法によって違います。
まずは一覧で違いを確認してみてください。
| 配送方法 | 入力する場所 | 入力しなかった場合 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| eBay SpeedPAK | CPaSS(10月下旬に入力機能を追加予定) | Orange Connexが出品情報などから補完 | 補完された内容の責任もセラー |
| 日本郵便 UGX | Hubezの備考欄・PIDリスト | 補完の案内なし | 1品目につきPIDはいずれか1つ、2点以上はPIDリストを同封 |
| ヤマト運輸 国際宅急便 | ワールドポータルの品名欄・インボイス | 補完の案内なし | M-PIDとNS-PIDが必須、品名欄は105文字まで |
| FedEx | FedEx Ship Managerの入力欄 | 10月26日からラベルを作れない | S-PIDがなければ「NO」 |
| UPS | ups.comのインボイス作成画面 | 10月25日以降は検証エラーの可能性 | 免除品は免除フラグで申告 |
| Ship&co(FedEx・DHL Express) | 自動送信(リリース予定) | eBay連携なら原則入力不要 | DHL Expressは35文字まで |
eBay SpeedPAK(CPaSS)の場合
SpeedPAKでは、10月下旬にCPaSS上でPIDを手入力できる機能が追加される予定です。
具体的な開始日はeBayからの発表を確認してください。
M-PIDはeBayの商品番号、NS-PIDはMPNなどのメーカー情報、S-PIDはEANやUPCなどの標準コードが使われます。
入力する手間は少なくなりますが、補完された内容は誤っていたとしてもセラーの責任になるので覚えておきましょう。
日本郵便(UGX)の場合
日本郵便のUGXでは、対象サービスはUGXプライムと越境EC配送サービスです。
UGX(通常)の欧州宛ては、10月30日で引受が終わります。
PIDの書き方は、荷物に入っている商品が1点か2点以上かで変わります。
内容品が1点の場合
Hubezで送り状を作るときに、備考欄へ3種類のうちいずれかのPIDと、その種類名を入力します。
種類名は「Merchant Product ID」のように英語で書きしょう。
例は以下のとおりです。
Merchant Product ID:123456
(または)GTIN(Standardised Manufacturer Product ID):123456789
※実際に入力するID番号は、送る商品の正しい番号を入力してください。
内容品が2点以上の場合
備考欄に「See Attached PID List」と入力し、商品ごとにHSコード・PID・PIDの種類を書いた「PID List」を作ります。
このリストは、送り状などの出荷書類と一緒にUGX専用パウチに入れて発送します。
※以下は書き方を説明するための例で、HSコードは実際の商品に合わせて確認してください。
| No. | Description | HS code | PID | Type of PID |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Used film camera body (Black) | XXXXXX | AE-1 | Non-Standardised Manufacturer Product ID |
| 2 | Video game software (Nintendo Switch) | XXXXXX | 4901234567894 | GTIN (Standardised Manufacturer Product ID) |
| 3 | Anime acrylic keychain (Red) | XXXXXX | KEY-RED-01 | Merchant Product ID |
ほかの配送方法との違い
FedExやヤマト運輸が「M-PIDとNS-PIDの2つは必須」としているのに対し、日本郵便の案内は、1品目につきいずれか1つのPIDを書く形になっています。
また、日本郵便は、VAT登録のない受取人宛ての荷物をBtoCとし、送り手が販売者であれば個人か法人かを問わないとしています。
参考:日本郵便「【更新】EU宛てBtoC荷物をUGXで発送する際の対応について」
ヤマト運輸(国際宅急便)の場合
ヤマト運輸は、10月21日から国際宅急便のインボイス記載ルールを変更します。
インボイスに出荷種別(BtoB・BtoC・CtoB・CtoC)を書き、BtoCの場合はPIDの記載が必須です。
ヤマトの案内では、M-PIDとNS-PIDの2つが必須、S-PIDは存在する場合のみとされています。
ワールドポータルでの入力方法
法人向けの「ヤマトビジネスメンバーズ」のワールドポータルでインボイスを作る場合は、品名欄の後ろに免除フラグ(CCEI)と3種類のPIDを決まった書式で続けて入力します。
品名欄は105文字までで、「/ SKU」のように余計なスペースが入るとPIDとして認識されません。
入力例は次のとおりです。
Video Game Software(CCEI:N/SKU:GAME001/MPN:ABC-12345/GTIN:4901234567894)
個人で発送しているセラーは確認が必要
ヤマト運輸は「依頼主が法人・届け先が個人」の荷物をBtoCとしています。
個人事業主でも、個人名義で発送しているセラーがどう扱われるかは明確な回答はできないため、利用前にヤマト運輸へ確認してください。
また、ワールドポータルで送り状だけを作り、自分でインボイスを用意する場合も、同じ情報をインボイスに記載する必要があります。
参考:ヤマト運輸「欧州連合(EU)加盟国向け『国際宅急便』ご利用時の記載事項変更について」
FedEx・DHL・UPSと直接契約している場合
クーリエと直接契約している場合は、各社の出荷ツールでPIDを入力します。
入力が必須になる時期や、PIDがないときの扱いは会社ごとに違うため、使っている会社の項目を確認してください。
FedEx
FedEx Ship ManagerとAPIでは、10月26日からPIDが必須項目になり、PIDがないとラベル作成や出荷ができません。
S-PIDがない場合は「NO」と入力し、空欄にしないよう案内されています。
自社のインボイスを使う場合は、各品目の最後に「M-PID」「NS-PID」「S-PID」の見出しを付けて書き、3つの間は半角スペース1つで区切ります。
M-PID123456 NS-PID12AD3456 S-PIDNO
UPS
ups.comでインボイスを作ると、PIDの入力欄が自動で表示されます。
10月25日以降は、免除対象外の商品にPIDがないと、出荷できない可能性も。
免除対象の商品は、PIDの代わりに免除フラグで申告します。
DHL Express
DHLは、11月からのPID必須化に向けて、商品マスタへの識別コードの登録を進めるよう呼びかけています。
DHL Expressを直接使う場合の具体的な入力方法は、利用中の出荷ツールやDHLの担当者に確認してください。
Ship&coを使っている場合
出荷ツールのShip&coを使っている場合は、FedExとDHL Express向けのEU発送で、PIDを自動で送信する対応がリリース予定です。
eBayと連携していれば、商品ID(Item ID)とSKUから必須の2つのPIDを作るため、基本的に入力は不要です。
メーカー型番やバーコードを注文画面で追加すると、より正確な情報を税関に出せます。
✅Ship&coを使うときの注意点
文字数はFedExが70文字、DHL Expressが35文字までで、超えると切り捨てられます。
また、リリース後はEU向けの発送で「内容物毎にまとめて送り状・インボイスの商品名欄に表記する」設定が適用されなくなり、商品は1点ずつインボイスに記載されます。
FedExとDHL Express以外の運送会社は、11月1日までに対応が間に合わない場合があるとされています。
参考:Ship&co「EU向け発送の商品識別子(PID)について」
11月までにeBayセラーがやっておくこと
ここまでの内容をふまえて、11月1日までに進めておきたい準備をまとめます。
出品のItem specificsにMPNとUPC・EANを入れる
SpeedPAKを使っている場合、一番おすすめなのはeBayで出品している商品のItem specificsにMPNとUPC・EANを入れることです。
Orange Connexは、注文情報や出品情報をもとに足りないPIDを補完するため、Item specificsのMPN(メーカー型番)やUPC・EANが空欄のままだと、NS-PIDやS-PIDが不足する可能性があります。
なお、Ship&coは現時点でeBayからメーカー型番やバーコードを取り込まないため、Ship&co側の注文画面で入力する必要があります。
SKUを商品ごと・バリエーションごとに分ける
SKUで在庫管理をしている場合は、サイズや色などのバリエーションごとに別のSKUを付けているか確認してください。
PIDは「1つの商品」を特定するためのものなので、色違いの商品に同じSKUを使っていると、正しいPIDになりません。
日本郵便のPIDリストでも、HSコードが同じでも色や素材が違えば別々に記載するよう求められています。
自分で管理しやすい独自のSKUルールを決めておきましょう。
150ユーロを超える商品の配送方法を確認する
SpeedPAK Economyは、EU27か国宛てでは150ユーロ以下の荷物しか送れません。
カメラや時計など単価の高い商品をEUに販売している場合は、SpeedPAK DHL・FedExや、ほかの配送方法を使う必要があります。
DDUを選ぶとセラーは関税やUHFを立て替えずにすみますが、バイヤーが受け取り時に請求されるため、受け取り拒否などのリスクが上がるので注意です。
どちらを選ぶかは、商品価格や販売先の国の状況を見ながら決めるのがよいでしょう。
送料と販売価格を計算し直す
3ユーロ関税とUHFを合わせると、SpeedPAKではHSコード1件あたり900円以上のコストが増えます。
低価格の商品ほど、利益に占める割合が大きくなります。
EU向けの送料に上乗せするのか、商品価格に含めるのかを決めて、利益が残るかどうか計算し直してください。
eBayの送料設定は国や地域ごとに変えられるため、EU向けだけ送料を調整する方法もあります。
なお、UHFの金額は10月時点でEUの正式決定前とされているため、金額が確定した段階でもう一度見直すのをおすすめします。
eBayのEU向けPIDに関するよくある質問
最後に、eBayセラーから出てきそうな疑問をまとめました。
PIDを入れ忘れたら、すぐに荷物が止まりますか?
EUは導入初期は柔軟に運用する方針と言われていますが、ずっとではありません。
FedExやUPSのように出荷の段階でエラーになる配送会社もあるので、入れておくのが前提だと考えてください。
バーコードがない中古品はどうすればいいですか?
S-PIDは、商品にある場合だけで大丈夫です。
FedExなら「NO」と書くなど、配送会社の指示に合わせてください。
ただし、型番(NS-PID)は中古品でも必要です。
SpeedPAKなら、自分で入力しなくても大丈夫ですか?
Orange Connexが補完してくれますが、申告内容の責任はセラー側にあります。
出品情報に型番やバーコードを入れておくと、補完の精度も上がりますよ。
荷物が返品されてきたらUHFは返金されますか?
まとめ|eBayのEU向け発送は11月までにPIDの準備をしておこう
2026年11月1日から、EU向けの発送ではPIDの申告とEU取扱手数料への対応が必要になります。
本記事で紹介したポイントを以下にまとめました。
- EU27か国の個人宛て・150ユーロ以下の荷物は、商品ごとにPIDの申告が必須になります。
- PIDは販売者のコード・メーカーの型番・バーコード番号の3種類で、前の2つは基本的に必須です。
- 中古品も、元の商品の型番などをPIDとして出す必要があります。
- SpeedPAKでは、HSコード1件につき関税3ユーロとUHF 2ユーロ、関税処理手数料2.1%がかかります。
- SpeedPAK Economyは、EU27か国宛てに150ユーロを超える荷物を送れません。
- 配送会社によっては、10月下旬からPIDがないとラベルを作れなくなります。
制度の細かい部分は、これからも変わる可能性があります。
各配送会社の案内やeBayからのお知らせを定期的に確認しながら、まずは出品情報の型番とバーコードを整えるところから始めてみてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー












